知っていることと知恵との違い〈経営コンサルタント〉

経営改革、組織改革、業務改革をコンサルする時、いつも気を付けていることがある。
それは知識と知恵の違いである。

コンサルティングは知見やノウハウをクライアントに分かり易く伝え、クライアントで実践してもらい成果を出すお手伝いをすること。

でもノウハウを話しても、それは知識を伝えただけのことであって、クライアントが実践するためには、意識や感情が動かなければその場だけで終わってしまう。
だからコンサルティングの現場では、つねに、クライアント自身に考えてもらうようにしている。
あまり先先こちらから話さずに、あえて待つのだ。
間をつくる。

陽明学に以下のような言葉がある。

知識をつけることは、行動することの始まりであり、行動することは、つけた知識を完成させることである。
行なわなければ、知っているとは言えない。
知っていても行なわないのは、まだ知らないのと同じである。
知って、行なってこそ、本当の知恵、真知である。

座中の銘にしたい言葉だ。
知恵をだして良い会社にしていくこと、顧客から選ばれる会社になるためには、「やり方」を教えるだけではコンサルタントとしては失格だと思っている。
「やり方」でなく「あり方」、つまり、志や使命を実現するために仕事をしているのだという「あり方」を考え抜くこと、それをクライアント自身に気づいてもらうことが、遠回りに見えても、知恵が出せる人材づくり、企業づくりになると信じている。

結果は「やり方」だけからできるものでなく、本質的には「あり方」からできるからだ。

いかなる時でも自身の足で立ち、自分の頭で考え判断し行動する。自分の言葉で人を動かす。
人としてリーダーとしてのあり方が大切だと思っている。

canvas3

関連記事

真の改善活動とは〈経営コンサルタント〉

製造業の現場や運送業の物流センターの改善活動をコンサルティングする中、標準作業の重要性を指摘している

記事を読む

多様性を認める組織は強い〈経営コンサルティング〉

活気があり成果を上げている組織は、積極的に多様性を認めています。 いわゆる ダイバーシティー って

記事を読む

お客さんに買ってもらうには2〈経営コンサルティング〉

前回は消費者の購買プロセスをみながら、誰にマーケティング活動を展開するかを検討しました。 では設備

記事を読む

社長の仕事は働きたくなる環境づくり〈経営コンサルタント〉

経営コンサルタントとして経営者を支援する中で、感じることがある。 それは、、、 成長過程

記事を読む

信頼づくりのヒント2〈経営コンサルティング〉

チームの信頼関係を構築することの2つ目のヒントに、「聴く」があります。 皆さんはチームメンバー

記事を読む

改善活動を行う理由〈経営コンサルタント〉

製造業や運送業に経営コンサルティングを行っている。 特段、この2業種に限定しているわけではない。コ

記事を読む

売上拡大のために〈経営コンサルティング〉

売上を向上するために、皆さんはどのような取組をしていますか? 部下にはっぱをかけて、顧客になり

記事を読む

物流作業の生産性を高める5〈物流コンサルタント〉

物流作業の生産性を高めるためには、何に取り組めばいいでしょう? 前回はピッキング作業の生産性を高め

記事を読む

工場視察で診たこと〈物流コンサルタント〉

製造業のコンサルティングでは、いろいろな製造業の工場経営改善・改革を支援しています。 今までコンサ

記事を読む

物流総合効率化法の改正〈物流コンサルティング〉

2月に物流総合効率化法が改正されてから、物流業界では様々な動きが出てきている。 東京都多摩地区

記事を読む

コンサルタント事例×お客様の声
PAGE TOP ↑